ふと昼寝から目が覚めると、窓のほうから雨の打ちつける音がする。まわってない頭で、車が去る音とともに聞こえる飛沫(しぶき)の具合から、どのくらいの雨量だったのかを想像するのが最近の日課です。当然、眠りにつく前の自分がなにか作り置いてくれているわけもないので、起きたら大抵コンビニに行きます。でも、その行動が腹を満たすためのものなのか、心を満たすためのものなのか、この身体の持ち主である私にもよくわかりません。だってどう考えてもスーパーで買ったほうが安いのに、コンビニでカフェオレを買ってしまう。お金を余分に使おうとする。「すみません、あとコロッケください」
この頃の外の世界は、何処かの家で準備されているであろう夕飯の匂いが空気中にじっとり漂っています。この匂いはカレーだなあ。そう思うとき、私は夏の一歩手前にいるような感じがするのです。
さて、天の気分とはよく言ったものです。コロコロ変わる空模様のなか、皆さまは如何お過ごしでしょうか。わたくしですか? 私はというとですね、今月新刊のイラスト集を出しました。COMITIA148という一次創作のみの即売会に参加し、そこで新刊などを頒布することができました。いつも以上に絵のことを考えられる時間が増えて幸せでしたね。せっかくですから、ここでは宣伝も兼ねて新刊イラスト集の紹介をしたいと思います。
2ndイラスト集『鞄に詰めた琥珀糖』を出しました!
────不揃いな形をしていた感情も、煌めいていた過去の景色も、思いだせる限りを詰めこんで冒険に出よう
ということで、今年の3月あたりに「新刊発表ドラゴンになるぞ」と決意してから制作を始めた今作。タイトルは『鞄に詰めた琥珀糖』です。琥珀糖ってご存知ですかね。実在する和菓子で、さまざまな色・かたちをしています。まるで宝石のような砂糖菓子とも言われていますね。どうしてこの表題にしたのかというと、私のイラストも琥珀糖のように、いろいろな煌めきや甘味を閉じこめているような気がしたからです。
特に煌めきというのは、私の絵の根っこにあたるんじゃないかな。誰しも何かを創作するとき、自然と滲み出ている体臭みたいなものがあると思うのですが、私の場合、その体臭の成分の多くを占めているのはおそらく〈強いあこがれ〉や〈キラキラして見えたものへの執着〉でしょう。
例えば、ガールイラストでは、こういう女の子になりたかったな、とか、こういう女の子のことが好きだったな、とかそういう感情を全部ひっくるめてキャンバスに乗せていました。自分とはまったく別の世界で過ごしている、手に届かないような透明な存在にどうしようもなく惹かれてしまうのです。青春系のイラストだって同じです。制服を着ていた時代にもっとこういうことをしたかったなあ、をよく描いている気がします。私が昏い場所にいたからこそ、余計にキラキラして見える世界というのがあって、そんな自分が抱いてきた憧憬をそのまま絵に残そうとしてきました。
今回のイラスト集に載せている絵は、そんな私の憧れや見てきた景色を詰めこんだ一冊になっています(体臭プンプンですね!)。2ndイラスト集『鞄に詰めた琥珀糖』は現在BOOTHで販売中。ぜひ手に取って、好きな一枚を見つけていただけたら幸いです。
BOOTH通販のお知らせ-イラスト集、ポストカード、原画を販売中!
オンライン通販BOOTHをオープンしております。COMITIA148で頒布した新刊イラスト集などを販売中です。
ぜひぜひお迎えください🌷
〈追加した商品〉
・イラスト集『鞄に詰めた琥珀糖』 ¥1,000
・ポストカード5種セット ¥500
・コピック原画 ¥2,000
※原画は一点限りになります。
※原画をご購入の際には額縁をお付けいたします。